「任意整理をしたけれど、返済が難しくなってしまった…」
「債務整理後に新たに借金ができてしまった…」
過去に債務整理をした方の中に「もう一度債務整理をしたい」と思っている方もいるのではないでしょうか?
本記事では2回目の債務整理について詳しく解説しています。最後まで読めば「2回目の債務整理はできる?」「2回目の債務整理の注意点は?」といった疑問はなくなるはずです。
監修者:弁護士 菅野 正太(かんの しょうた)
永総合法律事務所
弁護士、英検準1級、TOEIC905点、宅地建物取引士試験合格者、管理業務主任者試験合格者、マンション管理士試験合格者
2回目でも、債務整理ができる場合がある!
結論から言いますと、一度債務整理をした人でも、2回目の債務整理ができる場合があります。
債務整理は借金問題を解決して生活を立て直す手段です。「債務整理は1回まで」という法律の決まりもありません。
ただし、1回目に比べると2回目以降の債務整理は条件等が厳しくなるため、難易度が高くなるのも事実です。
2回目の債務整理にあたっては、以下のような点に注意が必要です。
債務整理の種類 | 特徴 |
---|---|
任意整理 | ・1回目と同じ債権者との再和解は難しい ・再和解の場合は基本的に返済期間の調整のみ |
個人再生 | ・7年以内に2回続けて給与所得者等再生はできない ・1回目の弁済額からさらに減額できるわけではない ・裁判所の調査が1回目よりも厳しくなる ・再生計画案が債権者から反対される場合がある |
自己破産 | ・前回の自己破産から7年以内は原則免責不許可事由に該当 ・原因が同じだと認められにくい ・1回目よりも時間や費用がかかる |
ここからは2回目の債務整理で注意すべきポイントについて、各方法ごとに具体的にご説明します。
2回目の任意整理で注意すべきポイント
2回目の任意整理のケースは2種類あります。
- 1回目で完済できていないとき…任意整理の返済途中で返済ができなくなり、同じ債権者に再度任意整理を依頼するケース(再和解)
- 1回目で完済しているとき…一度任意整理をしたものの、再び借金ができたため別の債権者に任意整理を依頼するケース
それぞれのケースの注意点を見ていきましょう。
1回目で完済できていないとき
以下の点に注意が必要です。
- 返済不能で2回目の交渉(再和解)をするのは難しい
- 再和解できたとしても、毎月の返済額の減額は見込めない
一度交渉した条件での返済ができなかった場合、再度の交渉(再和解)に応じる債権者は多くありません。
もし再和解できたとしても、すでに利息分がカットされているならば調整できるのは返済期間の延長などに留まります。月々の返済額の減額は見込めない可能性が高いため、別の債権者に減額交渉をするか、任意整理以外の債務整理手段を検討するのがいいでしょう。
1回目で完済しているとき
同じ債権者に2回目の任意整理を交渉する場合は、たとえ完済していても、1回目の条件よりも厳しい条件を提示されることが多いです。
1回目の任意整理と異なる債権者であれば、基本的には問題なく手続きができます。
この場合は1回目と同様に、無理のない範囲まで月々の返済額を調整してもらうことが可能です。
2回目の個人再生で注意すべきポイント
2回目の個人再生をする際は、以下の点に注意が必要です。
- 7年以内に2回目続けて給与所得者等再生はできない
- 1回目で完済できていない場合、1回目の弁済額から減額できるわけではない
- 裁判所の調査が1回目よりも厳しくなる
- 再生計画案が債権者から反対される場合がある
7年以内に2回続けて給与所得者等再生はできない
まず、個人再生には下記2つの手続きがあります。
- 小規模個人再生
- 給与所得者等再生
減額できる額が大きい小規模個人再生が利用されるケースが多いですが、事情により1回目に給与所得者等再生を利用し、再び給与所得者等再生をする場合には、7年間の期間を開ける必要があります。
1回目の弁済額からさらに減額できるわけではない
1回目の返済途中で支払いができなくなり、再度個人再生をする場合の債務の基準額は、「1回目の債務の総額」から、「既に返済した額」を控除した額になります。
例えば、1回目の個人再生で1,000万円の借金を300万円に減額した後、100万円を返済した時点で支払いができなくなった場合を考えてみましょう。
借金総額 | 1,000万円 |
---|---|
1回目の個人再生で減額した弁済額 | 300万円 |
すでに返済した額 | 100万円 |
この場合、2回目の個人再生では、元の借金総額1,000万円からすでに返済した額100万円を差し引いた金額(1,000万円−100万円)=900万円をもとに、どれだけ減額できるかを考えていくことになります。
1回目で減額した弁済額からさらに減額していくわけではないので注意が必要です。
裁判所の調査が1回目よりも厳しくなる
2回目の個人再生では、前回の失敗を踏まえて、裁判所で、より厳しく審査されることが多いです。
裁判所を納得させられるような再生計画案を練っていく必要があるため、1回目に比べて時間や手間が多くかかることを理解しておきましょう。
再生計画案が債権者から反対される場合がある
小規模個人再生では、債権者によって再生計画案についての決議が行われます。この決議で債権者の過半数の消極的同意が得られない場合には、再生計画案は認められません。
特に1回目と同じ債権者からは、同意を得られない可能性が高くなるでしょう。一定数の反対が予想される場合には、小規模個人再生ではなく、給与所得者等再生を利用するしかありません。
2回目の自己破産で注意すべきポイント
2回目の自己破産をする際は、以下の点に注意が必要です。
- 前回の自己破産から7年以内は手続きができない
- 原因が同じだと、裁判所から債務の免責が認められにくい
- 1回目よりも時間や費用がかかる
前回の自己破産から7年以内は、原則免責不許可事由になる
自己破産の手続きにおいて、裁判所が「免責許可決定」という決定を行うと、債務者が借金を返済する義務が免除されます。この決定を受けた日から7年間は、原則として再度の自己破産手続きはできません。
ただし、病気やリストラ等のやむを得ない事情がある場合や、破産手続きに真摯に協力したような場合には、「裁量免責」と言って免責が認められる可能性もあります。
原因が同じだと免責が認められにくい
2回目の自己破産をする原因が前回と同じだと、裁判所に反省をしていないとみなされ、再度の免責が認められない可能性が高いです。
また、自己破産の原因が下記のような「免責不許可事由」に該当する場合は、認められるのがさらに難しくなります。
- ギャンブルや浪費で借金を作った
- 財産を隠したり、処分した
- 虚偽の申告をしたり、書類を偽造した
- 詐欺などの犯罪により借金を増やした
- 収入や資産を偽って多く借りた
1回目よりも時間や費用がかかる
自己破産の手続きには、下記の2種類の方法があります。
- 同時廃止事件…費用は安めで、期間も半年程度
- 管財事件…費用は高めで、1年ほどかかる場合もある
個人の自己破産は、資産状況にもよりますが、同時廃止事件となることが多いです。その一方で、2回目の自己破産ではより厳しい調査が必要だと判断されるため、管財事件となる可能性が高いです。
管財事件は裁判所によって選定される「破産管財人」によって調査が行われるため、手続きが複雑になり、その分時間や費用がかかります。
2回目の債務整理をうまく進めるポイント
2回目の債務整理は、どの方法を選んでも1回目ほどスムーズには進みません。失敗しないためには気を付けていただきたいポイントが3つあります。
- 1回目と生活状況が変化したことを伝える
- 返済の意思・能力があることを示す
- 実績のある弁護士・司法書士に相談する
1回目と生活状況が変化したことを伝える
1回債務整理をしている人は、経済生活を立て直せるよう努力している人がほとんどです。しかし、何らかの事情で経済事情や生活環境が変わってしまうこともあるでしょう。
たとえば任意整理後に重い病気になったり会社が倒産して転職先が決まらなかったりすると、経済的に厳しくなり返済が滞ってしまうこともあります。
また自動車事故を起こして相手方への補償が必要になって、返済が厳しくなることもあるでしょう。
返済できなくなった理由は、包み隠さずに債権者へ伝えてください。やむを得ない状況があることを説明すれば、2回目の任意整理も認められやすくなります。
返済の意思・能力があることを示す
2回目の債務整理を成功させるためには、1回目以上に返済の意思を示すことが大切です。返済の意思を伝えられないと債権者から「2回目の債務整理をしても無駄」だと思われてしまい、任意整理や再生計画を認めてもらえません。
返済の意思はただ言葉で伝えても効果がなく、以下のような行動をしていることが重要です。
- 家賃の安い家に引っ越している
- 安い自動車に乗り換えている
- ブランド物などの高級品を売却している
- ダブルワークで収入を増やす努力をしている
返済するお金を作る具体的な努力を伝えられるようにしましょう。
実績のある弁護士・司法書士に相談する
繰り返しお伝えしているとおり、2回目の債務整理は1回目よりも難しいです。確実に成功させたいなら、実績のある弁護士や司法書士に相談するようにしましょう。
実績のある専門家に相談するメリットは2つあります。
- 経済状況や生活環境などに合わせた最適な方法をアドバイスしてくれる
- 交渉術に長けているので、依頼者にとって有利な条件で話し合いができたり、裁判所に必要な事情を的確に伝えてもらえる
実績が浅い弁護士や司法書士では、生活状況や借金返済の意思がうまく伝えてもらえず2回目の債務整理が失敗する恐れがあります。
また2回目の債務整理は解決が難しいため、依頼を断られることもあるはずです。2回目の債務整理はまず実績のある弁護士や司法書士に相談してみましょう。
債務整理の実績がある弁護士・司法書士事務所
事務所名 | 実績 | 費用 | 専門性 | 対応地域 |
---|---|---|---|---|
中央事務所 | ★★★ 実績 多数 | ★★★ 相談・ 着手金無料 | ★★★ | 全国対応 (本店は新宿区) |
東京ロータス法律事務所 | ★★★ 受任件数 7,000件超 | ★★ 相談無料 着手金あり | ★★★ | 全国対応 (本店は台東区) |
ひばり法律事務所 | ★★★ | ★★ 相談無料 着手金あり | ★★★ | 全国対応 (本店は墨田区) |
司法書士法人 中央事務所
中央事務所は、東京・大阪・福岡・名古屋に拠点を置く司法書士事務所です。
設立当初から過払い金請求や債務整理に特化して業務を行っており、100名以上の専門家が借金問題解決に取り込んでいます。
設立は2017年と比較的新しい事務所ですが、毎月の相談実績は10,000件以上、受任実績は3,000件以上と実績豊富です。
事務所への相談料は無料で全国対応、電話なら7時~24時、メールなら24時間いつでも年中無休で相談できます。
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おすすめポイント
- 毎月の相談実績は10,000件以上、受任実績は3,000件以上
- 電話は7時~24時、メールは24時間年中無休で相談対応
中央事務所の口コミ
中央事務所には「安心して任せられた」「借金が減って助かった」という口コミがありました。
【質問】
中央事務所は怪しいですか?
過払い金請求でどこの事務所に頼もうか迷っています。
カードローンの過払い金の返還請求をしたいです。ネット上の口コミはどこの事務所も賛否両論であまり参考になりませんでしたが、知人が実際に中央事務所に頼んで問題なく利用できたと言っていたので、中央事務所が気になっています。
どの事務所も「怪しい」という口コミを見かけますし、実際に請求できるのなら問題ありません。ただ、こういった手続きは全く初めてなので、他にも利用した方の意見をお聞きしたいです。よろしくお願いします。
【回答】
私も親の請求を手伝い、中央事務所に依頼しました。
ちゃんと過払い金を取り戻せましたし、手続き中、不安になるようなこともなかったです。
怪しいとかの悪評は業界特有のようですね。
有名な事務所は変なことをするとすぐ公になるので、違法なことはしないと思います。逆に、最初無名な事務所に相談したのですが、慣れていないような感じがして、そっちの方が不安でした。
有名さや実績はある意味大事なのかもしれませんね!
引用元:知恵袋
相手金融会社と仲介代理交渉をして利息分を消滅させて元金分のみの返済という新しい契約になり毎月の返済額が9割安になり棚からぼた餅的に好条件ばかりで大変に助かってます
引用元:Google
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東京ロータス法律事務所の口コミ
東京ロータス法律事務所には「毎月の苦しい返済から解放された」「他の事務所で断られた案件を解決してくれた」という口コミがありました。
夫婦で破産申立てを依頼しました。
いつも私達夫婦に寄り添って下さり、またアドバイスして頂き心から感謝しています。
書類集め等色々大変でしたが、思い切って相談して本当に良かったです。
毎月の支払いに苦しんでいた頃が嘘のように、穏やかな気持ちで過ごせる日を迎えられたのは、先生やスタッフの皆様のおかげです。
ロータス様には感謝しても仕切れません。
こんな私達夫婦の感謝の想いを口コミで皆さんに読んで頂けるなら嬉しく思います。
引用元:Google
電話対応も良かったし、他の事務所で断られた内容もキチンと対応していただけました。おすすめです。
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東京ロータス法律事務所 に相談してみるひばり法律事務所
ひばり法律事務所は、東京都墨田区にある弁護士事務所です。借金問題に特化した事務所で、個人事務所時代から合わせると25年以上の豊富な実績があります。
営業時間は平日の10時~19時ですが、事前予約をしておけば土日祝など夜間でも相談可能です。
またひばり法律事務所は、女性専用相談窓口を設けています。女性専用相談窓口ではベテランの女性弁護士と女性相談員が、女性特有の借金のお悩みに寄り添ってくれます。
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ひばり法律事務所 に相談してみるおすすめポイント
- 事前予約をしておけば土日祝など夜間でも相談可能
- 女性専用相談窓口あり
ひばり法律事務所の口コミ
ひばり法律事務所には、「最適な解決方法をアドバイスしてもらえた」「レスポンスが早く安心できた」という口コミがありました。
当初は任意整理をお願いする予定でしたが、初回で任意整理よりも自己破産の方が良いと勧められ、自己破産でお願いしました。
初めての法律事務所で色々と不安なことも多々ありましたが小屋さんが親身になって話を聞いてくださり、諸々の対応もしてくださり、無事に自己破産が終了しました。
長期間色々とありがとうございました。
引用元:Google
2022年5月にひばり法律事務所に相談させて頂きました。
ネットでの口コミ評価が、高かったのと、相談料、携わる諸経費等、他の事務所より金額も良心的でした。
実際にその通りでした。
事務所にお伺いしました。
緊張していましたが、弁護士の先生も気さくな方でした。
メールでのやり取りもスムーズで問い合わせにも迅速に対応してくれました。
今回、ひばり法律事務所さんとお付き合いした中で
対応のレスポンスが良かったのでそれが、安心感だったと思います。
高額のお金のやり取りをお任せして良かったです。
引用元:Google
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ひばり法律事務所 に相談してみる2回目の債務整理の注意点
2回目の債務整理をするときは、1回目以上に債権者へ返済の意思や誠意を伝えることが大切です。
債権者からの督促や連絡をストップさせるために、具体的な手続きをとることなく、弁護士や司法書士に受任通知を送付させるだけの行為を繰り返す人がいます。
債務整理を事務所に依頼すると、債権者に受任通知が送付されることを通じて、すぐに債権者からの督促や連絡が止まります。1回目の債務整理をしたときに、「この状態がずっと続けばいいのに・・・」と思った人も少なくないでしょう。
【受任通知の送付を繰り返す事態とは】
- A事務所に依頼をして、受任通知を債権者に送付する
- 督促が止まる
- A事務所に事務所費用を支払わないまま、音信不通になる
- しばらくするとA事務所に辞任される
- B事務所に依頼して、受任通知を債権者に送付する
- 督促が止まる
- B事務所に事務所費用を支払わないまま、音信不通になる
- しばらくするとB事務所に辞任される
- C事務所に依頼して、受任通知を債権者に送付する
(以後、繰り返し)
上記のような行為を繰り返し続ければ、貸金業者からの督促はないかもしれませんが、債権者から「悪質行為」とみなされ債務整理は一層困難になります。
返済が困難になってきたら、逃げまわることはせずになるべく早く手続きを進めるようにしましょう。
記事まとめ
2回目の債務整理について解説してまいりましたが、いかがでしたでしょうか?法律上債務整理の回数に制限はありません。
しかし2回目の債務整理は1回目よりも債権者や裁判所の対応が厳しく、うまくいかない場合もあります。
2回目の債務整理を成功させるには、1回目と生活状況が変化したことや返済の意思があることを伝えるようにしましょう。
そして何より大切なのは、実績のある弁護士や司法書士に相談することです。実績のある専門家なら、最適な方法でスムーズに問題解決してくれるでしょう。
事務所名 | 実績 | 費用 | 専門性 | 対応地域 |
---|---|---|---|---|
中央事務所 | ★★★ 実績 多数 | ★★★ 相談・ 着手金無料 | ★★★ | 全国対応 (本店は新宿区) |
東京ロータス法律事務所 | ★★★ 受任件数 7,000件超 | ★★ 相談無料 着手金あり | ★★★ | 全国対応 (本店は台東区) |
ひばり法律事務所 | ★★★ | ★★ 相談無料 着手金あり | ★★★ | 全国対応 (本店は墨田区) |