任意整理を弁護士・司法書士に依頼することを考えている方の中には、弁護士・司法書士と面談するための時間がない・遠隔地に住んでいるので面談するのが大変、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ところで、弁護士・司法書士の事務所のホームページには、必ずメールフォームが設置しているのですが、これを利用してメールで任意整理を依頼することはできないのでしょうか。
このページでは、面談なし・メールのみで任意整理を依頼することはできないのかについてお伝えします。
面談なしでも任意整理はできる?信用できる?
まず、面談なしでも任意整理はできるのでしょうか?
この点については、弁護士・司法書士と依頼者との契約については、弁護士の場合には弁護士法・弁護士職務基本規程、司法書士の場合には司法書士法や司法書士法施行規則、などにおいて規制がされています。
この中には、直接面談しなければ依頼を受けてはいけないとするものはないので、メールでの契約も可能と思われます。
しかし、債務整理については日本弁護士連合会・日本司法書士会連合会がそれぞれ、直接面談しなければならないというルールを策定しており、原則としては面談なしにメールだけでは依頼できないとしています。
面談なしでも任意整理できるケース
直接面談しなければならない規定については例外も定められています。
例えば、日弁連の債務整理事件処理の規律を定める規定3条では、
面談することに困難な特段の事情があるときは、当該事情がやんだ後速やかに、自ら面談をして、次に掲げる事項を聴取することで足りる。
と、面談することに困難な特段の事情があるときには、面談は後でも良いとしています。
例外が認められるケースとしては、
・交通の便が悪い場所に居住しており面談をするのが難しい
・入院をしているなどで面談をすることが困難
・仕事で遠方に赴任しており面談をすることが困難
といった場合が考えられます。
このような場合に、弁護士・司法書士と面談なしで任意整理を依頼することが可能です。
そして、時間がある時や、弁護士・司法書士が近くに相談会に来た時などに面談をすることになります。
なお、昨今のコロナウイルス感染症対策のために、直接面談が難しいような場合もこれに該当しえます。
コロナウイルス感染症対策については規制が緩みましたが、今後再度感染が拡大したような場合には、例外的に直接面談しないで依頼することも可能なケースもあるでしょう。
面談なしで任意整理をする方法
それぞれの手続き方法、面談ありとの違い、その方法がおすすめかどうかなどをご執筆ください。
面談なしで任意整理をする方法として、
・電話で話をする
・メールのみ
・オンライン面談
という方法が挙げられます。
それぞれの方法について確認してみましょう。
方法①:電話で話をする
電話で話をする方法で任意整理を依頼します。
任意整理をはじめとした債務整理全般を依頼する際には、借金や返済能力に関する事項を明らかにする必要があります。
任意整理を依頼したいという場合でも、あまりにも借金の額が多すぎるために、任意整理では支払いきれない場合には、自己破産・個人再生を検討する必要もあります。
そのため、任意整理に先立って、まず借金や返済能力に関するすり合わせをする必要があります。
効率よく行うためには、電話で弁護士・司法書士と依頼者が会話をしてすり合わせをして、依頼をすることが考えられます。
この場合でも、本当に相談をしているのが名乗っている本人なのか、相談の後契約をするのが相談をした本人なのか、は電話だけでははっきりしません。
そのため、事前にあるいは契約時に、身分証明書をFAXや画像で送るなどが必要となります。
方法②:メールのみ
メールのみで弁護士・司法書士と意思疎通をして、任意整理を依頼する方法もありえます。
電話や後述するテレビ会議をする場合には、どうしても弁護士・司法書士と相談者が予定をあわせる必要があります。
弁護士・司法書士も多忙であることが多いので、電話やテレビ会議では日程が合わせられないようなケースでは、依頼が前に進まないということもありえます。
一方でメールであれば、お互いのタイミングで送信をすることができるので、少しずつでも会話を前に進められます。
また、メールの文書の中に、今までの対応が残るので、一つ一つ確認をしながら任意整理を依頼するかを確認することが可能です。
なお、例えば相談を電話で行い、後日依頼をメールで行うなど、両者を併せて利用しても構いません。
方法③:オンライン面談をする
直接の面談のかわりにオンライン面談を利用することも考えられます。
オンライン面談とは、テレビ電話のシステムを利用してオンラインで弁護士・司法書士と依頼者が面談を行うことです。
コロナウイルス感染症の流行以降、ビジネスの現場でオンライン面談を利用しての会議をすることも多くなり、弁護士・司法書士が顧客と会議をするために利用するケースも増えてきました。
スマートフォンの普及率が高い我が国においては、利用しやすい面談方法で、お互いが話し合いながら表情を確認しながら、依頼に向けてのコミュニケーションを取れる点で優れているといえるでしょう。
事前に写真付きの身分証明書を送付しておけば、面談で本人であることを確認することもできます。
任意整理を面談なしでするデメリット
任意整理を面談なしでする場合には次のようなデメリットも考えられます。
やりとりに時間を要する
やりとりに時間を要することが考えられます。
例えば、メールでやりとりをする場合、電話に比べると疑問に思うことを解消するのに何往復もメールをやりとりさせる必要があります。
対面や電話・オンライン面談であれば、目の前で確認すればすぐに終わることも、メールだとお互いの都合の良い時間にやっと返事が帰ってくる、という形で進むでしょう。
面談等よりも時間がかかることは避けられません。
話の食い違いや誤解があっても気が付かない
話の食い違いや誤解があっても気付かずに話が進んでしまうことが考えられます。
任意整理や債務整理、借金が返済できなくなるという事態は、一生のうちで何度も発生する事態ではありません。
そのため、任意整理や債務整理について詳しい・知識があるという人のほうが稀なので、弁護士・司法書士が説明したとしても、それを正確に理解するほうが難しいです。
そのため、どうしても話が食い違う・誤解が発生することもあります。
直接面談をしていたり、少なくともオンライン面談をしているような場合には当事者の表情や口調などで、話が食い違ったり誤解が発生しても気づく可能性があります。
一方で電話の場合には相手の表情が見えませんし、メールの場合には文字でしか感じることができないので、食い違い・誤解が発生しているのに気づく可能性が少なくなります。
面談で気が楽になることも
面談したほうが気が楽になることもあります。
任意整理や債務整理を考えるような事態になっている場合、周りに話すこともできずに一人で抱え込んで、精神的に参ってしまっていることも珍しくありません。
直接面談して、顔をみながら話すことで、気が楽になり落ち着いてその後の任意整理のための家計の立て直しができるでしょう。
任意整理を面談なしでするメリット
任意整理を面談なしでするメリットとしては、次のようなものが挙げられます。
気軽に手続きできる
気軽に手続きができるのは大きなメリットでしょう。
面談となると、弁護士・司法書士との面談日時を設定して、その日に弁護士・司法書士の事務所に行くことになります。
時間をかける必要や遠方の場合には交通費がかかるなど、しっかり準備する必要があります。
また、弁護士・司法書士と馴染みがある人のほうが珍しく、面談するだけでも緊張してしまう、という方も珍しくありません。
面談なしに依頼できれば、もっと気軽に任意整理が依頼できます。
周りにバレない
弁護士・司法書士の事務所は、裁判所などの官庁に近い場所や交通の便が良い場所にあります。
そのため、人に見られて、弁護士・司法書士に相談をしているのがバレてしまうことがあります。
面談なしに依頼できれば、周りにバレることなく、任意整理の依頼ができます。
早く手続きに着手できる
どうしても面談にこだわると、弁護士・司法書士と面談できる時期まで先に伸びてしまうことがあります。
その結果、任意整理に着手できる時期が遅くなることも考えられます。
任意整理に着手する時期が遅くなると、あらたな借り入れをしていまい、借金が増えてしまう可能性があります。
また、延滞している場合には、督促状や督促の電話に悩まされ、遅延損害金が発生することになります。
面談なしに依頼できれば、任意整理の手続きが早くに行えます。
面談なしでの任意整理の注意点
実際に面談なしで任意整理を相談・依頼する場合には、どのような点に注意が必要かを確認しましょう。
注意点①:どうして面談ができないかを客観的に説明できるようにする
どうして面談できないかを客観的に説明できるようにしましょう。
直接面談の原則は、弁護士・司法書士側の義務であるため、弁護士・司法書士としても特に差し支えがなければ直接面談に誘導する可能性があります。
土日しか休みがとれない、と主張しても、その事務所が土日に相談可能であれば、直接面談はできます。
そのため、面談なしに任意整理を依頼したい場合には、どうして面談ができないか、例外的に直接面談をせずに任意整理を依頼できるかを、客観的に説明できるようにしましょう。
注意点②弁護士・司法書士と合わない場合には他の事務所に依頼する
弁護士・司法書士と合わないと感じた場合には他の事務所に依頼するようにしましょう。
債務整理は長期間かかるのが通常で、その間弁護士・司法書士と何度も接することになります。
そのため、弁護士・司法書士と合わないと感じると、非常にストレスに感じることがあり、ついつい報告が遅れたせいで債務整理手続きに支障をきたすということもあります。
債務整理・過払い金請求の相談は、一つの事務所しかできないわけではなく、いくつかの事務所に相談してもかまいません。
直接面談しない依頼では特に、弁護士・司法書士合わないと感じる場合には、他の事務所に依頼しましょう。
注意点③報酬の支払いを遅れないようにする
依頼後に報酬の支払いを遅れないように気をつけましょう。
報酬の支払いが遅れると、弁護士・司法書士は任意整理の依頼を辞任することができます。
辞任すると、債権者から一括請求を受けることになり、また弁護士・司法書士を探すことになるのですが、一度辞任されている場合には依頼を断る弁護士・司法書士も少なくありません。
報酬の支払いを遅れないようにして、もし報酬の支払いが遅れそうな場合には正直に話して支払いについて話し合いをするようにしましょう。
面談なし・メールのみでも任意整理できるか事務所に問い合わせよう
面談なし・メールのみでも任意整理できるか、事務所に問い合わせをしてみましょう。
問い合わせの方法
問い合わせの方法については、特に方法を問わないので、フリーダイヤル・メールフォームなどを使って、「面談をせずに依頼ができないか」と問い合わせてみましょう。
このときに、なぜ面談ができないのかの理由を併せて伝えます。
直接面談ができなくても、電話やメールのみで依頼を受けてくれる場合には、事前に身分証明書のコピーや画像、借入状況などの申告などの案内があるので、それに従います。
面談なしの任意整理OKの可能性の高い事務所とは
面談なしで任意整理OKとしてくれる可能性が高い事務所は、債務整理・過払い金請求をしていることをしっかりホームページなどで申告していて、全国対応OKとしているところです。
債務整理に取り組んでいる事務所であれば、返済のために仕事などが忙しく、なかなか相談ができないような事情を汲み取って、柔軟な相談を可能としていることが多いです。
おすすめの事務所
問い合わせをするのにおすすめの弁護士・司法書士事務所は以下の4つです。
今すぐ一つの事務所を選ぶのではなく、複数の事務所から話を聞いてから、依頼する事務所を判断するのがおすすめです。
まずは、思い切って1つの事務所に電話してみて一歩踏み出しましょう。
おすすめポイント | |
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