債務整理で借金が減るのはよく知られています。
しかし「借金がいくらからなら債務整理ができるのか」「債務整理は借金があれば誰でも効果があるのか」など、意外と知られていないことが多いです。
今回は、債務整理の金額制限や効果の目安などを詳しく解説していきます。
債務整理は借金いくらからできる?
債務整理は簡単に言うと「国に認められた借金を減額できる手続き」です。国に認められたといわれると「借金の額に決まりがあるのではないか」と心配される方もいらっしゃるのではないでしょうか。
結論から申し上げますと、債務整理をすることに「借金が○○円ないとできない」といった制限はありません。
債務整理は借金がいくらあるかではなく「返済できる状況かどうか」が目安になります。たとえば300万円の借入でも翌月に簡単に返済できるならば、債務整理をする必要はないです。
反対に収入が少なく、50万円の借入でも毎月の返済が苦しく生活を圧迫しているようであれば、できるだけ早く債務整理を検討したほうがいいでしょう。
債務整理するべきかどうかは、借入をした本人の返済状況や家計の状況といった「収入と返済のバランス」で判断されます。
債務整理で減額効果の出やすい金額の目安
債務整理それぞれの手続きで減額の効果が出やすい金額は、およそ以下のようになります。
債務整理 | 減額効果の出やすい借入金額の目安 |
任意整理 | 30万円以上 |
個人再生 | 100万~5,000万円 |
自己破産 | 50万円以上 |
手続きごとに解説していきます。
任意整理
債務整理に「借金が○○円ないとできない」という決まりはありません。しかし借金が30万円以下なら、任意整理をするよりもそのまま返済を続けたほうがいいといえます。
たとえば、以下のような状況だったとしましょう。
借入 | 1社10万円 金利年18% |
支払い | 月々3,000円(借入額の3%) |
完済までの期間 | 約4年(47回) |
完済までに発生する利息 | 約4万円 |
任意整理の費用相場は5万円~10万円です。借入額10万円で任意整理を依頼すると、カットできる利息2万円よりも多い金額を事務所に支払うことになります。
つまり任意整理をしても家計の負担が大きくなるだけです。
借入 | 1社20万円 金利年18% |
支払い | 月々6,000円(借入額の3%) |
完済までの期間 | 約4年(47回) |
完済までに発生する利息 | 約8万円 |
借金が20万円の場合、依頼した事務所によっては損することがわかります。
もう一つ例を挙げましょう。
借入 | 1社30万円 金利年18% |
支払い | 月々9,000円(借入額の3%) |
完済までの期間 | 約4年(47回) |
完済までに発生する利息 | 約12万円 |
30万円を任意整理する場合、カットできる利息よりも事務所に支払う費用のほうが小さいです。もし事務所費用が5万円だったとしたら、7万円も生活の負担を減らせます。
借金が30万円以上あれば、任意整理の効果が出やすいと覚えておきましょう。
個人再生
個人再生は裁判所に申し立てて、借金を減額し返済していく手続きです。裁判所に認められれば任意整理より借金を大きく減額でき、住宅ローン返済中の住まいを残せます。
個人再生にも「○○円以上の借金が無いと手続きできない」という決まりはありませんが、「住宅ローンを含まない借金の総額が5,000万円以下」のという条件があります。
また借金の総額によって、最低の返済額が決められています。
借金の総額(住宅ローン除く) | 最低返済額 |
1円~100万円 | 全額 |
100万円~500万円 | 100万円 |
500万円~1,500万円 | 借金総額の5分の1 |
1,500万円~3,000万円 | 300万円 |
3,000万円~5,000万円 | 借金総額の10分の1 |
100万円以下の借金の場合、全額を返済しなくてはいけません。つまり100万円以下でも個人再生できますが、やっても意味がないです。
むしろ個人再生をするとブラックリストに載ってしまうので、デメリットのほうががはるかに大きくなります。
個人再生で効果を得やすいのは、最低100万円以上。とくに500万円、1,500万円、3,000万円、5,000万円と借金額が大きいほど効果があるといえます。
自己破産
自己破産は裁判所に申し立てて「借金を全額免除してもらう手続き」です。自己破産の場合も「借金が○○円以上」といった制限はありません。
しかし借金が50万円以上ない場合にはあまりおすすめしません。
自己破産を事務所に依頼した場合の費用は、30万円~50万円程度、裁判所費用が別途最低で2万円ほど必要です。つまり借金が50万円以上ないと、事務所に支払う費用のほうが大きくなる可能性が高いです。
たとえば事務所に依頼して30万円の借金を自己破産すれば、借金はなくなります。しかし新たに50万円ほどの支払いが発生するので、結局20万円も負担が増えてしまいます。
最低でも50万円以上の借金を抱えている方でないと、自己破産の効果は得にくいといえるでしょう。
債務整理を検討すべきケース
収入と返済のバランスが崩れた状況とは、以下のようなケースを言います。
- 借金の返済が滞納し始めた
- 借金の総額が年収の3分の1を超えている
- 複数の会社から借金している
- 返済のために借り入れしている
- 新規の借り入れや追加の融資を断られた
収入と返済のバランスが崩れたとわかったら、早めに債務整理を検討すべきです。ご自身の状況にあてはまっていないか、チェックしてみてください。
借金の返済が滞納し始めた
借金の返済が滞納し始めたら、債務整理を検討すべき合図といえます。というのも、借金を返済できないというのは「借金返済のお金を生活費に回さないといけない」ほど、借金が日常生活に影響を及ぼしていることになるからです。
返済を滞納すると、本来支払う借金の他に遅延損害金は発生してしまいます。さらに滞納状況があまりにひどいと、貸金業者から訴訟を起こされたり給与口座を差し押さえられたりする恐れもあるのです。
また訴訟や口座差し押さえが始まってから任意整理をしても、貸金業者が遅延損害金のカットに応じないことがあります。また債務整理手続きの選択肢が少なくなるかもしれません。
借金の返済がうまくいかなくなってきたら、早めに債務整理を検討しましょう。
借金の総額が年収の3分の1を超えている
「本人の収入の3分の1を超えてはならない」と借りられるお金には上限が法律で定められており、これを総量規制といいます。
貸金業法13条の2第2項
前項に規定する「個人過剰貸付契約」とは、個人顧客を相手方とする貸付けに係る契約(住宅資金貸付契約その他の内閣府令で定める契約(以下「住宅資金貸付契約等」という。)及び極度方式貸付けに係る契約を除く。)で、当該貸付けに係る契約を締結することにより、当該個人顧客に係る個人顧客合算額(住宅資金貸付契約等に係る貸付けの残高を除く。)が当該個人顧客に係る基準額(その年間の給与及びこれに類する定期的な収入の金額として内閣府令で定めるものを合算した額に三分の一を乗じて得た額をいう。次条第五項において同じ。)を超えることとなるもの(当該個人顧客の利益の保護に支障を生ずることがない契約として内閣府令で定めるものを除く。)をいう。
引用元:e-Gov法令検索
つまり「収入の3分の1を超える借金は危険」だと国が定めています。たとえば年収300万円であれば、100万円までしか借りられません。
しかし借金をした頃には年収300万円でも1ヶ月後に転職をして収入が200万円以下になると、借金が収入の半分になってしまいます。
年収に対して借金が3分の1を超えているのは危険のサインです。債務整理を検討するようにしましょう。
複数の会社から借金している
複数の会社から借金している場合も債務整理を検討しましょう。1社1社に借り入れている金額が少ないかもしれませんが、総額にまとめると「収入の3分の1を超えている」という可能性があります。
また1社の返済額が少なくても、A社に5,000円、B社に3,000円、C社に10,000円・・・と合計すると、毎月大きな金額を返済に回していることも多いです。
さらに返済の時期は、貸金業者によって異なります。借入先が多いと返済日を把握しきれなくなり、返済漏れや滞納が増えてしまうでしょう。
意図していない返済漏れや滞納でも、訴訟や差し押さえのリスクがあることに変わりはありません。
事務所に債務整理を依頼すれば、借金が減るだけでなく返済時期の管理もしてくれる場合があります。複数の会社への借入が手に負えなくなってきているなら、早めに専門家に相談するようにしましょう。
返済のために借り入れしている
借金の返済のために借金を重ねている場合は、一刻も早く債務整理の検討をする必要があります。
借金のために借金をすると、一生借金がなくなりません。
たとえばAという会社から100万円を金利15%で借りると、返済には115万円必要です。Aの借金を返済するために、Bから115万円を借りると、返済には132万円必要になります。さらにCから132万円を借りると、返済額は151万円です。
これを繰り返せば借金の滞納は避けられるかもしれませんが、どんどん借金を増やしていることになります。
またそもそも借金が自転車操業状態になるのは、返済するお金がないからです。自転車操業をやめたところで、結局滞納が続き遅延損害金が増えたり貸金業者から一括返済を求められたりするのは目に見えています。
借金の返済のために借金をしはじめたら、手遅れになる前に債務整理を検討しましょう。
新規の借り入れや追加の融資を断られた
借金の滞納を続けていると、ある日新規の借り入れや追加の融資が受けられなくなることがあります。
この状況になると、すでに信用情報機関に事故情報が載ってしまった(ブラックリスト)可能性が高いです。
実は債務整理をしなくてもクレジットカードやキャッシングなどの返済の延滞が2か月を超えると、ブラックリストに載ってしまいます。
借金の滞納を続けてブラックリストに載ると、最低5年間は以下のことができなくなります。
- 新しいクレジットを作る
- 新規のローン契約をする
- スマホなどの本体の分割払い
- ローンや奨学金の保証人になる
つまり債務整理をした場合と同じデメリットがあるのです。
債務整理をしてもしなくてもブラックリストに載ってしまうなら、債務整理をして借金を減額したほうがいいですよね。
債務整理で迷ったら無料相談がおすすめ
「自分が債務整理をするべき状況なのか知りたい」
「どの手続きをするのがいいのかわからない」
「自分の場合、いくらから債務整理をすべきなのか知っておきたい」
借金で生活が苦しい状況でも自分が本当に債務整理をするべきなのかどうか迷っている方もいれば、債務整理をするにしてもどの手続きがベストなのかわからないという方もいらっしゃるでしょう。
また今は債務整理をするほど生活は苦しくなくても、万が一のためにボーダーラインを知っておきたいという方もいるかもしれません。
債務整理で気になることがあるときは、専門家への無料相談がオススメです。専門家に相談すれば、債務整理に関する最適なアドバイスを受けられます。
無料であれば費用を気にしなくてもいいですし、「他の事務所と比較したい」という場合でも気軽に相談しやすいです。
債務整理の無料相談ができる弁護士・司法書士事務所
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中央事務所 | ★★★ 実績 多数 | ★★★ 相談料・ 着手金無料 | ★★★ | 全国対応 (本店:新宿区) |
ひばり法律事務所 | ★★★ | ★★ 相談無料だが 着手金あり | ★★★ | 全国対応 (本店:墨田区) |
東京ロータス法律事務所 | ★★★ | ★★ 相談無料だが 着手金あり | ★★★ | 全国対応 (本店:台東区) |
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アース法律事務所 に相談してみる記事まとめ
債務整理はいくらからできるかついてご紹介してまいりましたが、いかがでしたでしょうか?
債務整理をするのに、「借金が○○円ないと、手続きできない」という制限はありません。しかしあまりに少額で手続きをすると効果が得られない場合があります。
債務整理の減額効果が出やすい借入金額は以下の通りです。
- 任意整理・・・30万円以上
- 個人再生・・・100万~5,000万円
- 自己破産・・・50万円以上
もし「自分が債務整理をすべきか」迷っているなら、まずは専門家の無料相談を受けてみましょう。手遅れにならないうちに、手続きすることが大切です。
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